第252回「歴史と人間」研究会

日時: 2017年3月26日(日)14時より

場所: 一橋大学西キャンパス本館特別応接室
 (キャンパス地図10番 http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html

報告: 高野 麻子氏

コメンテーター: 勝 康裕氏

タイトル: 「生体認証技術による身体管理の歴史的変遷―個人を識別することの先に何があるのか」

要旨:生体認証技術(biometrics)とは、身体的・行動的特徴から個人を識別する技術であり、現在では指紋、静脈、虹彩、顔、声紋、歩容などが用いられている。生体認証技術の歴史は、19世紀末にイギリスの植民地であるインドで指紋法(指紋によって個人を識別する技術)が誕生したことに始まる。指紋を一度登録すれば、移動を繰り返しても、言葉が通じなくても、偽名や嘘をつこうとも、統治者は必要なときにいつでも個人の識別が可能になった。そしてこの技術は、帝国における統治の技法として地域的な差異を越えて伝播していった。本報告では、こうした生体認証技術の軌跡を、2016年にみすず書房より出版した拙著『指紋と近代―移動する身体の管理と統治の技法』をもとに辿っていく。そのうえでさらに、1980年代に手作業の時代からコンピュータの時代へと移行するなかで、生体認証技術による身体管理がどのような変容を遂げているのかについても考察する。19世紀末に誕生した技術は、21世紀を迎えた現代においても世界的に使用されているが、近年は明らかに個人を識別することをはるかに超えはじめている。近代的統治による秩序化の実践は、どこに向かっていくのだろうか。この大きな問いを、生体認証技術による身体管理の歴史的変遷を軸に考えていきたい。

 

なお、今回の例会では、高野さんのご高著『指紋と近代―移動する身体の管理と統治の技法』の編集に携われた勝さんから、企画が成り立つまでの経緯や編集過程などについてお話いただくことになっております。

 

* 次回は4月23日(日)梅原秀元氏によるご報告の予定です。

 



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