第249回「歴史と人間」研究会

日時: 2016年11月27日(日) 14時より

場所: 一橋大学西キャンパス職員集会所
 (キャンパス地図8番 http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html

報告: 山口 みどり氏

タイトル: 「歌う聖職者たち、サープリスを着た女性たち、教会という劇場―19世紀イングランド国教会における音楽・聖職・ジェンダー」

要旨:
 演劇がタブー視されたヴィクトリア初期。しかし皮肉なことに「教会と劇場の間のつながり」は、このころイングランド国教会で強まり始めていた。オックスフォード運動の影響で、音楽を多用する唱詠聖餐式が教区教会でも再導入されると、カトリック的だとする反発にもかかわらず受聖餐者数の増加が報告された。教会堂は会衆の目を意識した「劇場」的なものに改装され、国教会の礼拝のための聖歌が整えられ、司祭やその家族は各地で聖歌隊を組織していった。 
 しかし、音楽の導入は会衆を楽しませ教会に引き付けた一方で、ヴィクトリア期の支配的なジェンダーや階級区分に混乱をもたらすこととなった。当時、女子教育において音楽は「ほとんど必修」であったのに対し、「男子教育の範疇にはほとんど入ってこな」(Nature, 1874)かったからである。唱詠礼拝は、整備されつつあった公教育や、アスレティシズム全盛の男子パブリックスクールにも波紋を広げ、さらには教区の娯楽にも影響を与えていった。女性がサープリスを着て内陣に座ってもよいのか? どうしたら少年たちを聖歌隊に呼び込めるか? 歌声の「訛り」の問題は? そして、歌える牧師を養成するにはどうすればよいのか? 音楽と、ジェンダー階級の振り分けは、「神聖」という要素によって再構成されていき、また「観客」としての会衆たちによって取捨選択されていった。

 

* 次回は12月18日(日)、恒例のシンポジウム&忘年会を予定しております。皆様、奮ってご参加ください。

 



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