第234回「歴史と人間」研究会

日時: 2015年4月25日(土)14時より *土曜日ですので、ご注意ください。

場所: 一橋大学西キャンパス本館特別応接室
(キャンパス地図9番 http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html

報告: 森村 敏己氏
タイトル: 「地方アカデミーにおける奢侈批判―ブザンソン・アカデミー懸賞論文(1783年)―」

要旨:
 17世紀半ばから18世紀末までにフランスでは40もの地方アカデミーが設立され、その多くがアカデミー・フランセーズと同様に毎年テーマを発表し、懸賞論文を募っていた。ディジョン・アカデミーでの受賞を契機に、一挙に文壇の寵児となったルソーほどの華々しい成功は稀であったが、懸賞論文に応募し、成功することは無名の著作家たちにとって文芸共和国の一員となり、文名を上げるための登竜門として機能していたことは間違いない。
 そうした中で1782年、ブザンソン・アカデミーは「奢侈は習俗を堕落させ、国家を滅ぼす」というテーマで懸賞論文を募集した。フランスでは1730年代にジャン=フランソワ・ムロンが奢侈を擁護して以来、奢侈論争と呼ばれる激しい議論が続いていた。1780年代といえば、ほとんどの議論は出尽くした感があり、すでに新たな理論的展開は見られないが、それだけに応募作品には半世紀にわたる論争の展開がある意味で凝縮されている。応募者たちはその後、著述家として歴史に名を残すことはなかったが、彼らは18世紀における奢侈論争を十分に吸収していたし、体系的な作品を構築することはなかったにせよ、先行する思想家たちが提示した論点を取り入れながら応募作を書き上げていった。
 本報告では、18世紀後半に奢侈論争がたどった展開を懸賞論文への応募作の中にたどることを通じて、1780年代に奢侈をめぐる議論がどのような様相を呈していたかについてのいわば「見取り図」を提示したい。また、著名な思想家、独創的な理論家ではないものの、単に「読書する公衆」として18世紀の思想運動を受容するにとどまらず、懸賞論文の執筆という形で自らも文芸共和国に積極的に参加しようとした人々の中に、この「見取り図」がどの程度浸透していたのかを探ることにしたい。
 

* 5月は学会シーズンのため、お休みです。次回は6月21日(日)、高林陽展氏によるご報告の予定です。



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