第219回「歴史と人間」研究会

日時: 2013年11月17日(日)14時より

場所: 一橋大学西キャンパス佐野書院1階 小会議室 *西キャンパス内からは行けませんので、ご注意ください(西キャンパス正門を通り過ぎ、そのまま大学通りを南下して右折してください)。
(キャンパス地図23番 http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/

報告: 加藤 鉄三氏
タイトル: 「ヨセミテの魂?、ジョン・ミューアの精神:来るべき法制150周年/死後100年に向けての予備考察」

要旨:
2014年はアメリカ環境史上のいくつかの記念の年に当たる。その1つが150周年を迎えることになる1864年6月成立の The Yosemite Grant Act(ヨセミテ「州立公園」法)である。同法
が記念される理由は、アメリカが世界に誇る自然保護システムである国立公園の理念上の先駆者として見なされていることにある(名称上の世界最初の国立公園は、1872年設立のイエローストーン国立公園)。そのこと自体が間違いではないにしても、この法律によって直接的に the Yosemite Valley and the Mariposa Big Tree Grove Grant と呼ば
れる「自然保護」区が設立されたわけではない。カリフォルニア州によるその設立は2年後のことであり、1905年に連邦返還を州が決定し、翌1906年にヨセミテ国立公園(1890年設立)に統合されることでその役目を終えた。
1868年にヨセミテ渓谷を訪れ、同地内に一時期居住し、後に「国立公園[運動]の父」、「ウィルダネスの聖者」に称されることになるのが、死後100年を迎えることになるジョン・ミューア(1838年−1914年)である。ミューア研究が文書の開示によって1980年代以降に急速に進行した一方で、彼が1890年のヨセミテ国立公園運動と同時に「州立公園」の連邦返還=国立公園への統合も主導し始めたこともあり、「州立公園」行政の評価は低く、前述の基本的事実さえ理解していない研究者(もどき)の記述さえも散見される程である。
そこで本報告では、未交換史料を通して細部をつつくのではなく、主として積み上げられてきた研究(ヨセミテ研究とジョン・ミューア研究/伝記の合計で30冊以上)と基礎資料を基に、そもそもヨセミテとは何であり、その保護/保全とは何であったのか、ジョン・ミューアの活動と彼を取り巻いていた状況・自然保護システムの「19世紀」的性格(即ち、生前に何が可能であったのか)、そして伝記(研究)が抱えてきたプロット上のある種のバイアスを論ずる。そのうえで、ミューア死後の運動の展開と現在進行系の諸問題を踏まえつつ、ヨセミテ的景観の持った(偏重的とも言える)重要性を明らかにすると同時に、今後の研究の可能性を示してみたい。

* 第220回「歴史と人間」研究会は12月15日(日)、シンポジウムと恒例の忘年会の予定です。
 


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