第267回「歴史と人間」研究会

日時: 2019年6月1日(土)14時より 

場所: 一橋大学国立東キャンパス第3研究館3階共用研究室

(キャンパス地図39番 http://www.hit-u.ac.jp/guide/ campus/campus/index.html

報告: ヤコビ 茉莉子

タイトル: 昭和前期日本における技術受容と災害―多目的ダムによる治水―

 

要旨: 

日本で現在、環境破壊の観点から問題視されているダムの本格的普及は、戦後の国土復興の一環としての治水を目的とする多目的ダムの受容によって促進された。第二次世界大戦直後、台風による災害が頻発するなか、その原因は戦時中の乱伐による国土の荒廃に求められた。その対策として、経済安定本部資源調査会はアメリカのテネシー・バレー・オーソリティー(通称TVA)に倣い、河川を総合的に開発し、洪水を防ぎながら資源(発電と利水)に変える「最良な策」として多目的ダムの建設を進めたのである。

しかし、ダムによる洪水対策が編み出された欧米と比較して谷が狭いため大きなダム湖が作れず、かつ雨量と土砂の堆積量が多い日本ではダムでは洪水が防げるかは疑問視され、外国からの治水技術を日本国土で受容することに対して小出博らが反対の声をあげたが、明治以来のオランダ流の治水では洪水は防ぎきれず、治山砂防で洪水対策を補ったように、戦後の総合的な治水もダムによる貯水と治山砂防による堆積物の減少との両面で進められていった。

本報告では明治以降の治水史を振り返った上で、海外河川で発祥した技術を「災害大国」日本でいかに応用するかという議論に焦点をあてて分析し、昭和前期に受容された多目的ダム思想の位置づけを見直したい。

 

※報告者の都合により報告は英語で行われますが(フルペーパー有り)、質疑応答は日本語で行います。



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