第203回「歴史と人間」研究会

日時: 2012年3月18日(日)14時より
場所: 一橋大学西キャンパス職員集会所
報告: 加藤 鉄三氏
タイトル: シカが町にやってきた?―カリフォルニア・ゴールドラッシュにおける日常生活の中の野生動物と自然賞賛(に関する非実証的考察)―
要旨:
 ゴールドラッシュの真っ只中にあったカリフォルニアのソノラという鉱山町で、1851年の9月のある日、シカが町に駆け込んでくるという出来事があった(らしい)。
 この出来事を記した人物はもっともらしい状況解説を行っており、報告者自身、かつてこれを史料として用いたことがあるのだが、本報告では現代心理学などを援用しつつ、その懐疑的検討をすることから始め、食肉目的の狩りを軸に、野生動物との関係へと話を進める。
 さて、1849年に起こったカリフォルニア・ゴールドラッシュは極めて有名な出来事であり、19世紀半ばまでの出来事としては、(出版)史料も数多いにもかかわらず、日本における詳細な研究は少ない。また、アメリカ環境史研究においても、鉱山開発と環境破壊をめぐる研究、カリフォルニアのゴールドラッシュ期以降の環境史研究が公刊されているものの、概説的言及と断片的言及を除くと、対象は企業的な鉱山開発が主であり、小規模グループが主であった初期ゴールドラッシュは本格的には論じられてこなかった。
 そこで、1848年から50年代前半に焦点を当てて、鉱夫たちの日記・書簡集・回想録、ジャーナリストの記述といった出版史料を軸に、上述の鉱夫と野生動物の関係に加えて、鉱夫たちの自然環境描写を検討する。破壊的な側面については概略としては論じられてきたことであり、想像もしやすいであろうが、白人鉱夫らがその初期から、彼らを取り巻く自然景観を賞賛していたことはほとんど知られていない。そこで、それらの傾向性を指摘し、その背景にあったと考えられる(出版)文化への言及も試みる。但し、文化については、筆者の現在の力量から、予備的考察に留まることを予めお断りしておく。

* 次回の例会は4月29日(日)、磯部裕幸氏によるご報告の予定です。



S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>

とは?

研究会の概要、これまでの例会

今後の例会

<2019年>
12月     シンポジウム

出版記録

画像をクリックすると、詳細情報がご覧になれます。

リンク

過去の記事

ブログ内検索

その他